シオンズアイズ
威厳と自信に満ち溢れ、恐れを知らぬ黄金族人間の王、ダグダ。

シリウスの心の中で、憎悪が頭をもたげた。

荒れ狂う波のように、瞬く間にそれがシリウスを支配し、その憎しみの激しさに、彼の体は小刻みに震えた。

シリウスはそれを止めようと歯を食いしばったが、到底無理であった。

……許さない。

今に見ておけ、黄金族人間よ。

完膚なきまでに、我ら白金族人間がお前達を滅ぼしてやる!

シリウスはニヤリと笑うと震える手でデキャンタを煽った。

口から溢れ、ダラダラと喉に流れ出た酒を、心地よいと感じながら。





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