シオンズアイズ
シリウスは大きく息をついた。

「ダメだ。せめて10日以内にケシアを立て。黄金族人間は必ず攻めてくる。奴等はアーテス帝国で迎え討つ」

「承知いたしました」

カイルは手綱をさばいて背を向けたシリウスを見つめながら、唇を噛み締めた。

◇◇◇◇◇◇◇◇◇

少しでもシリウスからシオンを遠ざけておきたい。

今となれば、いずれシリウスから身を守る術となるなら、馬術でも剣術でも、何でも教えてやりたいとカイルは思った。

シリウスがケシアを立って今日で10日目であったが、カイルはシオンの乗馬が上達するまで帝国に帰る気はなかった。

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

……好みって訳じゃないが……。

なかなかの上玉だぜ。
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