シオンズアイズ
アルゴは至近距離からまじまじとファルを見つめた。

「……なに、そこの二人!」

険を含んだ香の声と、彼女の刺すような眼差しを受け、ファルはギクリと硬直した。

そんなファルに、香がニヤリと笑う。

「……王子でもいいのよ」

「アルゴが手合わせしたいそうだ!」

「え!俺!?」

「いいから、いけ!」

「しかし、女相手に」

「だから香を女と思うな」

「何ですって?!」

香がキッと二人を睨んだ。

「俺が相手になる」
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