M&H
「…いや、美波…
美波に数学借りようと思ったけど
美波のクラス今日数学ないらしくて…」
ん?それなら他の友達もいたよね?
「私。美波以外の友達いません。」
キッパリ言ったよこの人
それより?ん?俺の気持ち見透かした!?
もしかしてハルさんってエスパー?
エスパーなの!?
「エスパーじゃないです。」
エスパーだった。
「困ってたら美波が『三波くんに借りるといいよ~』って言ってたから…」
その後の話によると美波は次の授業が移動教室で付いてこれなくて
そんな訳でハルさんが一人でここまできたらしい
それより数学…
忘れたって言った?
もしかして意外にハルさんって…
「ドジじゃないです。たまたまです。」
ドジなエスパーでした。
なんかここまでくると俺の緊張がほぐれてきた
「っっっっ…ははははは!
ハルさんって面白いね」
いやもう、腹筋が痛いよハルさん
「…。意味不明です」
「はいはーいはーるっす・う・が・く♡」
近くで話を聞いてたっぽい一貴が
気持ち悪い声をだして
俺の数学の教科書を持ってきた
「なんで私の名前知ってるんですか?」
ハルさんが少し驚いたように一貴に聞く
「ん?あー!違う違う!こいつ!この三波は名字!名前は春樹(はるき)っていうから俺はたまにハルって呼んだりしてるの!」
「三波が名前じゃないんですね…」
「そうなのよ~紛らわしいわよね~
ごめんなさいね~」
一貴がまた気持ち悪い声を出して
ご近所の奥さんと話をするような
話し方をした。
「それよりあなたもハルっていうのかしら?」
こいつまだ続けるか…きもい
「はい。」
「そうなのね~やだ〜♡Wハル~?
運命感じちゃう」
ドクン。
運命…
「…やめてもらえますか?
それなら美波もWみなみです」
ハルさんが顔を歪めて一貴を睨む
ズキンっ
なにこの痛み?
「やだやだ冗談じゃなーい♡」
一貴お前…メンタルつえーんだな。
今だけお前を尊敬する。