先輩と、わたし。



「あ、でもまだみんなには言わないでくださいね?」



「えー。」



「だって恥ずかしいですっ。心の準備とかもまだだし…。」




心の準備って(笑)


せっかくつき合い始めたんだから、早く「花乃は俺のもんだ」って宣言したかった。



「花乃がとられそーになったらどーすんの?」




「なりませんよ、わたしなんかっ!」




「なる。」





本気でそう思いながら言ったら、花乃は首を振るのをやめて嬉しそうにした。



「花乃は素直だから誰でもすぐ信じるだろ?」




この前だって、陽大んちに行こうとしてた。



ほんとに陽大んちに着いたらどーするつもりだったんだよ?




花乃は照れた顔でうつむいた。



何かよけいに縮こまって見えて可愛い。







< 213 / 440 >

この作品をシェア

pagetop