先輩と、わたし。
「あ、でもまだみんなには言わないでくださいね?」
「えー。」
「だって恥ずかしいですっ。心の準備とかもまだだし…。」
心の準備って(笑)
せっかくつき合い始めたんだから、早く「花乃は俺のもんだ」って宣言したかった。
「花乃がとられそーになったらどーすんの?」
「なりませんよ、わたしなんかっ!」
「なる。」
本気でそう思いながら言ったら、花乃は首を振るのをやめて嬉しそうにした。
「花乃は素直だから誰でもすぐ信じるだろ?」
この前だって、陽大んちに行こうとしてた。
ほんとに陽大んちに着いたらどーするつもりだったんだよ?
花乃は照れた顔でうつむいた。
何かよけいに縮こまって見えて可愛い。