先輩と、わたし。
「遅いぞ。」
部室に戻ったときの中島先輩の第一声。
中島先輩は確かに恐いけど、花乃と一緒になら怒られんのもめんどくさくないかも。
「うう、ごめんなさい…。」
花乃はもう覚悟を決めたようにうなだれている。
けど中島先輩はちらっと後ろを振り返ると、
「ま、今回はいっか。」
って練習に戻っていった。
俺と花乃は顔を見合わして不思議がる。
それから同時に笑い出した。
花乃と同じこと考えて、一緒に笑えるのが嬉しかった。