先輩と、わたし。
うちの高校では、管楽器がチューニング(音合わせ)と全体基礎練をする間、パーカッションは部室の中にある準備室で基礎練する。
わたしが準備室に入ると、中には部活始めからずっとここでケータイをいじってる悠哉先輩と、楽器を組み立ててる旭先輩がいた。
「あ、花乃。おっす。」
あれからも旭先輩は仲良くしてくれる。
「こんにちはっ。」
そのとき準備室に入ってきたのは、2年生の凛先輩と愛美先輩。
2人はわたし、悠哉先輩、旭先輩を順番に見ると、ちょっと笑った気がした。
「凛先輩、愛美先輩、先に基礎練しますかっ?」
わたしが話しかけると、凛先輩が笑顔になってわたしの手を握った。