先輩と、わたし。
「せっかく桜子先輩も遥斗先輩もおらんのやし、みんな来はるまで恋バナでもしようや!」
関西から引っ越してきたという凛先輩の言葉は、いつ聞いても新鮮な感じがした。
「それ、いいっ!ねーねー、花乃ちゃんは結婚するなら何て名字の人がいい?」
愛美先輩ものってきて、わたしに質問をする。
わたしが答える前に、2人が言った。
「うちは、奥村やな。」
「あ、あたしも~っ!その名字好きだなあっ!」
2人の声は小さくて、でも、悠哉先輩にも旭先輩にも聞こえる大きさだった。
奥村って…、悠哉先輩のこと?
先輩たちは、悠哉先輩が好きなの?
「花乃ちゃんはね~、北原でしょっ!?」
それって、旭先輩のことですか…?
2人が何を言いたいのか分かった気がした。