先輩と、わたし。
「あー楽しかった!みんな、ありがとねー!」
桜子先輩の声。
夏祭りのフィナーレである花火が次々と空に打ち上げられるのを、パーカッションメンバーみんなで見上げる。
「わ、すごくきれい…。」
まるで夜空のキャンパスに色とりどりの花々を描いたみたい。
この高校生の夏を共に過ごす仲間たちと見た花火は、きっと、ずっと忘れない。
わたしが感動して花火を目に焼き付けてたら、突然先輩がだらーんって寄りかかるように抱きついてきた。
「花乃、俺疲れた。」
ため息まじりにつぶやく先輩。
か、可愛い…。