先輩と、わたし。




「あー楽しかった!みんな、ありがとねー!」




桜子先輩の声。




夏祭りのフィナーレである花火が次々と空に打ち上げられるのを、パーカッションメンバーみんなで見上げる。





「わ、すごくきれい…。」




まるで夜空のキャンパスに色とりどりの花々を描いたみたい。





この高校生の夏を共に過ごす仲間たちと見た花火は、きっと、ずっと忘れない。







わたしが感動して花火を目に焼き付けてたら、突然先輩がだらーんって寄りかかるように抱きついてきた。






「花乃、俺疲れた。」





ため息まじりにつぶやく先輩。






か、可愛い…。








< 310 / 440 >

この作品をシェア

pagetop