先輩と、わたし。
「じゃあ、今日はみんなありがとう!おかげですっごく良い思い出が出来ました!」
花火も全部打ち上がって、もうお開きの時間。
楽しくて、あっという間だったなあ。
「明日も部活あるから寝坊しないように、帰ったらすぐ寝てね!絶対全国金賞だよ!」
「「はいっ!」」
この夏祭りでみんなの仲は一気に深まった。
このメンバーで夏祭りに来れたことは、大人になっても忘れないよ。
「じゃあ今日は解散!」
桜子先輩の一声で、パーカッションのみんなはばらばらに散らばり始める。
それぞれ家の方向が同じ人と帰っていった。
「悠哉、花乃ちゃん送ったれよ!」
陽大先輩が言いながら悠哉先輩の肩を叩く。
でも確か悠哉先輩んちはわたしの家とは真逆の方向だったよね。
「逆方向だから悪いし、わたしなんか全然大丈夫ですよ。先輩もめんどくさいですよね?」