先輩と、わたし。
花乃は、メトロノームと自分のスティック、パットを抱えながら2人に言った。
「凛先輩、愛美先輩、先に基礎練しますかっ?」
花乃、ほんとに真面目だよな。
基礎練とか、めんどくさいこともちゃんとやるし、そーゆーとこはちょっと尊敬してる。
そんな花乃の手を、立原が握って笑った。
「せっかく桜子先輩も遥斗先輩もおらんのやし、みんな来はるまで恋バナでもしようや!」
立原の明るい声での提案に、林田ものってくる。
「それ、いいっ!ねーねー、花乃ちゃんは結婚するなら何て名字の人が良い?」
花乃が、結婚?
どんな名字が良いって…、ほらな。
つき合ってることみんなに言わねーからこんな変な話に巻き込まれんだよ。