先輩と、わたし。
「わたしも、奥村が良いですっ!わたし、奥村花乃になりたいですっ!」
大きくて、ちょい恥ずかしそうな花乃の声。
俺の頭ん中で繰り返されて、気分が上がった。
けど、
「何でやねん!花乃ちゃんは旭先輩が好きなんちゃうん!?旭先輩に優しくされて、顔赤くしとったやん!」
その立原の言葉に、一気に気分が重くなる。
そーいや、つき合う前は北原先輩に花乃を取られた(気がした)こともあったし、前から花乃と北原先輩仲良いよな。
「その手だって、悠哉を守ったせいでケガしたんでしょっ!?」
その言葉はさらに追い打ちをかけた。
何で急に俺の名前が出されたのか分かんねーけど。
花乃がケガしたのは確かに俺のせいなわけだし、1番つっかえるとこついてきたな。