先輩と、わたし。






嬉しくて、花乃は俺の彼女だって自信をこめて返す。





「そのとーり。」







俺が喋る度に花乃の顔が赤くなってくのが面白かった。




赤くなるだけじゃなくて、幸せな気持ちもにじみ出てる。






「ってことで、花乃に手出したら許さないんで。」






みんなに最後の宣言をしたあと、花乃の耳元でささやく。





「さっきの嬉しかった。絶対奥村花乃にしてやるから、覚悟しとけよ?」





正直な花乃の言葉に対する、俺の素直な気持ち。




「せ、先輩…。」




花乃はふわっと笑って喜んだ。



それがまた俺を嬉しくさせる。





花乃の頭をポンポンと叩くと、





「そのリンゴみたいな顔、甘くておいしそう。」




って言い残して準備室を後にした。






…あのままいたら、みんなの前でも花乃を食ってしまいそうだったから。










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