先輩と、わたし。
夏祭りから2週間。
相変わらず俺に笑顔を向けてくる林田が、俺を空いてる教室誘ってきた。
誰も近くにいないことを確認すると、教室のドアを閉め切る。
「ねっ、悠哉?」
林田は花乃よりずっと背が高いくせに、花乃と同じように俺の顔をのぞき込んでくる。
花乃の真似のつもりなのか?
「ん、何?」
早く戻って花乃と喋りたい。
花乃が無理だったら陽大でも良いけど。
なんて考えながら空返事したら、林田が思いがけないことを言い出した。