先輩と、わたし。
わたしからゆっくり先輩に近づいた。
「悠哉先輩、あの…。」
何だか照れて言葉が出てこないよ。
わたしが迷ってたら、先輩が先に口を開いた。
「花乃、誕生日おめでと。」
「へ…、あっ。」
もしかして…って思ってみんなを見渡すと、悠哉先輩の言葉を合図みたいにみんなも言葉を投げかけてくれた。
「花乃、誕生日おめでとう!」
「花乃ちゃんお誕生日おめでとう!」
今日、わたし誕生日だったんだ。
自分でも忘れてたのに、こんなにたくさんの人が覚えててくれたんだね。
すごく嬉しいよ。
「この誕生日プレゼントを企画したのは全部悠哉だからな!花乃ちゃんの誕生日も悠哉が教えてくれたんだぜ?」
陽大先輩の言葉に、改めて悠哉先輩を見た。
「あれ、悠哉先輩。何か今日お洒落…?」
「遥斗先輩が選んだ服だよ!」
また陽大先輩が言った。
遥斗先輩も確かにすごくお洒落さんだもんね。
悠哉先輩、よく似合ってる…。