先輩と、わたし。
「澤木!」
声がした方を見たら、旭先輩!
旭先輩から話しかけてくれたよ!
嬉しいっ。
「ちょっと話あるんだけどさ。」
悠哉先輩を振り返ると、「行っといでー」って手振りをしてた。
「はいっ。」
喜んでついていくと、先輩はクラパートが練習に使ってる部屋の隣の教室に入った。
何か大事な話なのかな?
「旭先輩、話って何ですか?」
旭先輩の顔が一気に赤くなった。
「いや、話っていうか…。奥村と楽しそうに笑ってた澤木を、奪いたくなった、っていうか…。」
わたしの顔もたちまち旭先輩と同じくらい赤くなる。
「な、俺も花乃って呼んでいい?」
「は、はい!ぜひ、呼んでくださいっ。」
声が裏返っちゃった。
でもこれって、旭先輩に近づけてるって事だよね!