先輩と、わたし。
旭先輩と別れて部室に戻ると、悠哉先輩がだるそうに座ってた。
「悠哉先輩、もう1回ソロやってくださいっ。」
笑顔で言ったんだけど、先輩はそっけなかった。
いや、いつものことなんだけど、何か冷たいっていうか…。
「…嫌だ。」
先輩は目も合わせてくれずにゆっくり立ち上がって、ポケットに手を入れながら部室を出てった。
先輩、機嫌悪い…?
「そうなんだよ!俺もさっき話しかけたのに無視されちゃってさー!」
陽大先輩に聞いてみたらやっぱりそうだった。
「花乃ちゃん、俺傷ついたよー!」
泣き真似する陽大先輩、ちょっと可愛いかも。
「陽大先輩、泣かないでっ(笑)」
…でも何で先輩、急に機嫌悪くなっちゃったの?
さっきまであんなに嬉しかったのに、何だかココロにぽっかり穴があいた気分だよ……。