先輩と、わたし。





その次の日。




いつもみたいに早く部室に来て1人で練習してたら、澤木にバレてしまった。



「いつからいた?」




「ずっと、見て、ました。」




嘘だろ?全っ然気づかなかった。

やっぱ俺鈍いんだな。再確認できたわ。




「まじで?あー、俺鈍いからなー。」








「でも…、ちょっと意外です。」



俺を見上げながら、小さい声で澤木が言った。






何だそれ。

ちょっとからかったれ。






「んー。花乃の中で勝手に俺のイメージつくんなよな。」






思った通り、澤木はまたリンゴ顔になった。





よーするに、女子は男子に名前を呼ばれたらドキドキするってことだろ?



北原先輩も名前呼んでたみたいだし。





< 73 / 440 >

この作品をシェア

pagetop