先輩と、わたし。
「うん。俺にひとめぼれしたってことだろ。」
びっくりした花乃は、急に立ったからバランス崩してまた転けた。
この前は押し倒されたけど、今日はちゃんと膝で受け止めた。
「よっと。」
花乃がこっちを見ながら、申しわけなさそうに謝る。
「ごめんなさいっ。」
ほんとどんくさいよなー、花乃。
って思って見てたら、急に花乃がどこうとした。
「すぐどきま…」
「だめ。」
花乃の動きが固まる。
…何か花乃が逃げそうな気がしたから。