先輩と、わたし。
急に花乃がバって俺から離れた。
真っ赤なリンゴみたいな顔で俺を見つめる。
「顔、赤いけど?」
「…悠哉先輩のせいですっ。」
「はあ?」
俺何かした?
花乃も変なこと言うな。
「んー、何で?」
「…先輩ほんっと鈍いですっ。」
「それ、前言ったじゃん。」
自分でも分かってるって。
…つもりだけど。
てか、そういえば悠哉って呼ばせてたっけ。
改めて花乃を眺めると、小っちゃいなって思った。
身長は平均くらいなんだろうけど、何ていうか、肉がない。
ほっそりしてるし、さっき膝の上にいたときも軽かった。
そんなんで、夏のマーチング練習乗り越えられんのかな。
「花乃って小っちゃいよな。」