おれんじの絆

彼の優しさ

ドアが閉まった。
蓮の前でこらえていた涙がどんどん出てくる。
蓮は私を悲しませないように気をつかってくれたのに意味がなくなってしまった。
意味をなくしてしまった…。
そして、私はいつの間にか夢を見ていた。

2年前、私が中3だった時初めて彼氏ができた。
その彼は最初は暴力的で嫌いだったけの、彼は私にだけ優しく、どんどん恋に落ちていった。
すると、彼から告白され私と彼は交際を始めた。
数ヶ月後、私がいない場所で誰かが彼が他の女の子とキスをしているのを目撃したという噂が流れ、いつしか私は彼のことが信用できなくなっていた。
信用できなくなってしまったのは、きっと、
…私もその現場を見てしまったから。
今さら無理だよ。と彼に訴え続けている私。
でも、彼はどんどん近づいてくる。
やめてと言っても彼には伝わらない。
いや、聞こえていないのかもしれない。
怖くて怖くて…。
< 13 / 14 >
表紙・目次

この作品をシェア

pagetop