おれんじの絆
そこでハッと目が覚めた。
そっか、夢だったのか。と気づく。
安心と裏腹にその後の自分がどうなったのかを知りたい自分もいた。
そして、今私の隣には蓮がいる。
「大丈夫?起こしちゃダメだと思ったけど、わめいていたから心配になった」
「うそ、あ、ごめん」
わめいてたってどれだけこの夢が怖かったんだろう。
「ほんとに大丈夫か?」
心配そうにして私の顔を覗き込んでくる。
蓮はもしかしたら私がどんな夢を見たのか気づいたのかもしれない。
だって、あれは本当にあったことだったから。
確かにキスの現場を見た。
でも信じたくなかった。
ずっと彼のことを好きでいたかった。離れたくなかった。
もしかしたら、人を好きになっている自分に酔っていたのかもしれない。
1人になるのが嫌だったのかもしれない。
でも、その時の私はそんなことに気づく余裕すらなかった。
信じたいと信じられない。
この2つの気持ちに挟まれていつも戦っていた。
キスシーンを目撃してから、私は彼のことを信用できなくなり、それは隠していてもすぐにばれてしまった。
暴力が始まったのもこの頃。
『なんで俺が信用できねぇんだよ!』
何度も何度もこの言葉を浴びた。
でも、答えられなかった。
キスシーンを見たなんて言って、もし否定されなかった時、私は彼と離れなければならなくなると思ったから。
まだ暴力を振るわれている方がマシだと思った。
さっき見た女の子とキスシーンで見た女の子が同じかはわからないけど、同じならばこれまでのつじつまが合う。
そこで蓮が
「俺、とやかく言う立場じゃないけどさ…」
と真剣な顔で言ってきた。
これで過去のことをとやかく言われたらきっと今私は壊れてしまう。
お願いだから励ましてほしかった。
「あいつが浮気したのは、ただお前のことを嫌いになったからじゃないと思う、ってか違うんだ」
は?何言ってんの。
さすがの蓮でも冗談がきつい。
ましてや冗談じゃないならどうして向こうの肩を持つのか意味がわからなかった。
あんな最低なやつの味方するなんて…。
私が黙ってると、蓮から話しだした。
「その後あいつがどうしたか知ってるか?」
考えると高校になってから1度も話していないからわからない。
「あいつの家親が離婚しててさ、俺に相談しに来たんだ」
…え。
「でも、まだそん時は離婚してなかったから適当にアドバイスしてたら怒ってぶん殴ってきて…」
そしてためらいがちに言った。
「でも、その時俺が『理沙の気持ち考えろ』って怒鳴ったんだ。そしたら、泣きながら殴らずに逃げてった」
「本当…?」
「うん。だから、あいつはあいつなりに少し後悔してんだよ。両親が離婚してからショックとかストレスがあったんじゃねぇか?親の真似したかったとか」
べつにそれを聞いても許そうとは思えなかった。
でも、頑張って慰めようとしてくれてる蓮の不器用な優しさに触れて少し元気がでてきた。
「まぁもう過去のことだしなんでもいいや」
「なんだよ(笑)じゃ、2人でハンバーガーでも食いに行くか?」
「行きたい!」
蓮?
いつも助けてくれてありがと。
でも、蓮もたくさん悩んでたんだよね。
…気づいてあげられなくてごめんね。
そっか、夢だったのか。と気づく。
安心と裏腹にその後の自分がどうなったのかを知りたい自分もいた。
そして、今私の隣には蓮がいる。
「大丈夫?起こしちゃダメだと思ったけど、わめいていたから心配になった」
「うそ、あ、ごめん」
わめいてたってどれだけこの夢が怖かったんだろう。
「ほんとに大丈夫か?」
心配そうにして私の顔を覗き込んでくる。
蓮はもしかしたら私がどんな夢を見たのか気づいたのかもしれない。
だって、あれは本当にあったことだったから。
確かにキスの現場を見た。
でも信じたくなかった。
ずっと彼のことを好きでいたかった。離れたくなかった。
もしかしたら、人を好きになっている自分に酔っていたのかもしれない。
1人になるのが嫌だったのかもしれない。
でも、その時の私はそんなことに気づく余裕すらなかった。
信じたいと信じられない。
この2つの気持ちに挟まれていつも戦っていた。
キスシーンを目撃してから、私は彼のことを信用できなくなり、それは隠していてもすぐにばれてしまった。
暴力が始まったのもこの頃。
『なんで俺が信用できねぇんだよ!』
何度も何度もこの言葉を浴びた。
でも、答えられなかった。
キスシーンを見たなんて言って、もし否定されなかった時、私は彼と離れなければならなくなると思ったから。
まだ暴力を振るわれている方がマシだと思った。
さっき見た女の子とキスシーンで見た女の子が同じかはわからないけど、同じならばこれまでのつじつまが合う。
そこで蓮が
「俺、とやかく言う立場じゃないけどさ…」
と真剣な顔で言ってきた。
これで過去のことをとやかく言われたらきっと今私は壊れてしまう。
お願いだから励ましてほしかった。
「あいつが浮気したのは、ただお前のことを嫌いになったからじゃないと思う、ってか違うんだ」
は?何言ってんの。
さすがの蓮でも冗談がきつい。
ましてや冗談じゃないならどうして向こうの肩を持つのか意味がわからなかった。
あんな最低なやつの味方するなんて…。
私が黙ってると、蓮から話しだした。
「その後あいつがどうしたか知ってるか?」
考えると高校になってから1度も話していないからわからない。
「あいつの家親が離婚しててさ、俺に相談しに来たんだ」
…え。
「でも、まだそん時は離婚してなかったから適当にアドバイスしてたら怒ってぶん殴ってきて…」
そしてためらいがちに言った。
「でも、その時俺が『理沙の気持ち考えろ』って怒鳴ったんだ。そしたら、泣きながら殴らずに逃げてった」
「本当…?」
「うん。だから、あいつはあいつなりに少し後悔してんだよ。両親が離婚してからショックとかストレスがあったんじゃねぇか?親の真似したかったとか」
べつにそれを聞いても許そうとは思えなかった。
でも、頑張って慰めようとしてくれてる蓮の不器用な優しさに触れて少し元気がでてきた。
「まぁもう過去のことだしなんでもいいや」
「なんだよ(笑)じゃ、2人でハンバーガーでも食いに行くか?」
「行きたい!」
蓮?
いつも助けてくれてありがと。
でも、蓮もたくさん悩んでたんだよね。
…気づいてあげられなくてごめんね。