お前は誰にも渡さない
ーーーー・・・・・



「う〜〜〜やっとお昼だぁ〜〜」





楽しい時間がすぎるのはあっという間
勉強の時間はやはり苦手デス。





「志織〜☆薫〜☆ご飯たーべよ♪」

「あ、美姫ちゃん♪うん食べよ〜♪」

「あれ、美姫。自分のクラスの友達はほったらかしてていいの?」






お弁当を下げてきた美姫ちゃんに薫ちゃんが尋ねた。






「ん〜お昼以外いっつも一緒にいるから別にいいんだぁ」

「そ。ならいいけど」

「相変わらずクール♪そーいうとこ嫌いじゃないよ☆」

「ありがと。」







この子は高野美姫(みきちゃん)
1年の時からの友達♪

いつも化粧バッチリで元気で明るくて積極的。お友達もいっぱいいる女の子。






「ね〜ね〜♪昨日の集会んときの充先輩まじカッコよかったぁ♡見たー?♡」

「充先輩って、斎藤先輩のこと?」

「え!?下の名前知らなかったの!?」

「ぁ、ぅん・・・今知った♪」

「無関心すぎてましょーー!あんなカッコイイ人彼氏だったらいいなぁ〜〜♡ね、そーおもわない?♪」

「うーん。。」

「え、ほんとに志織、興味なし!?あの充先輩!」

「だってなんか、別の世界な人な気がするし・・私が喋れる相手じゃないなって。。」

「まじ!?その感じが良いんじゃん!アイドルだよアイドル!もし喋れる事ができたら天国だよ♡」

「ん〜そぉかなぁ?あはは」





「ね!薫は!?充せんぱ」

「興味ないね」

「えーーー即答?!この学校でそんなこと言ってるの二人くらいだよ!!」





「そぉかなぁ・・・?」

「ぜーったいそぉ!」

「美姫ちゃんは斎藤先輩のこと好きなの?」





そう聞くと美姫ちゃんは顔を赤らめて





「あったりまえじゃん♡卒業するまでに絶対彼氏になってもらう。」

「わ。美姫ちゃんすごい、」

「だからなんとしてでもまず喋りに行かなきゃ♡♡」

「応援してるね♪がんばって♪」






キャッキャしてる横で薫ちゃんは静かにお茶を飲んでいた。






「美姫〜〜昼食べた〜??充先輩見に行こうよ〜♪」
「行く〜〜♡志織、薫、ごめん行ってくるね♡♡」




隣のクラスのこに呼ばれ美姫は急ぎ足で去っていった。





「すごいなぁ〜大好きなんだね。」

「・・・はぁ。何がたのしいんだか」

「ん〜でも美姫ちゃん凄く幸せそうだよ?」

「本人にとったら迷惑でしょ」

「え?」

「アイドルでもモデルでもない、ただの高校生なのに朝も昼も女子に追っかけ回されて…私なら登校拒否だね。」

「そう考えれば…そうかも。」

「でしょ?」






確かに芸能人でもないのに追っかけ回されて、


お昼休みとかのプライベートもずっと見られてたら全く落ち着かないかも…。


集会の時も学生生活楽しそうな感じがしなかったし、ただめんどくさそうにしてて……


そう思うと可哀想に思えてきた。





私・・・






「志織?何考え込んでるの?」

「ぇ、いや・・・あーやって追い掛け回されてかわいそうに思えてきたなぁって」

「そーだねー。」

「だから私・・・」

「・・・?」





「チ ン チ ク リ ン でよかった」





「ぷっっっあはは♪」

「あー。笑うなぁ」

「あんたね、自分の可愛さに気づけ」

「え!?私スタイルも良くないし薫ちゃんみたいに背も高くないし、」

「あのね、女の子は、ほわほわしててちっちゃくてお目目くりくりがいいと思うよ」

「ん〜・・・」





薫ちゃんはすごく美人で華麗なのに、追っかけ回されたりしないのはなんでだろう。



強力なバリアが・・





「いつも思うけど志織って自分の中で自問自答するのクセだよね」

「ぁ・・そうかも、」

「志織はもっと思ってること口に出していったほうがいいよ♪」

「うん♪ありがとう」

「で、今何考えてたの?」

「え、薫ちゃんは美人なのに追っかけ回されたりしないなぁって」

「・・・」





「何言ってんだよ志織」



そう言ってドカッと横の机に座ったのは拓ちゃん。




「わ。拓ちゃん。お昼食べた?」

「食ったよ」





拓ちゃんっていつも私達と喋るけど…
他に友達いないのかな…





「なんだ?顔になにかついてるか?」

「あ、ううん。なんでもない」

「なんだよ」





「・・・ぷっ」
薫ちゃんが肩をすくめて笑っていた


「なんで笑うんだ城之内・・・」

「志織の心の声が聞こえた。」

「え!?薫ちゃん言っちゃダメだよっ」

「なんだよ!言えよ!」

「だめだめっ」

「・・・志織は、あんたに友達がいるか心配してるんだよ」

「わーー薫ちゃん!言っちゃダメだよ!拓ちゃんの心の傷をえぐるよえなマネは…」

「・・・・コノヤロウ」

「ひゃぁっいたいっ」





拓ちゃんは手を縦にして私の頭にチョップをきめた。




「心配されなくても友達なんていっぱいいるよ!」

「ぁ・・・そうなの。よかった・・・」

「・・・っ」
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