お前は誰にも渡さない




その校長の一言で、壇上に進む一人の男性。



彼が足をすすめるごとに
あたりの女子はキャーキャーと頬を赤らめていた。



斎藤充(さいとうみつる)


彼は学校のアイドル的存在。

髪は茶髪でカッコ良くセットしてあり、長身でモデルのような身なりだった。


あまり笑わないクールな雰囲気、気軽に近寄れないオーラ。



そんな彼に女子生徒だけでなく男子生徒も魅了されているみたい。


授業はあまり出ていないみたいだけどとても頭は良く、3年代表に選ばれたようです。


 
ただ、いい噂はあまり聞かなくて、女遊びをしているという話が出回っている、

そんな悪いところも女子生徒には魅力的なのだろうか…


私にはわからない…


「えー。3年代表の斎藤充です。新学期、新しいクラスで戸惑っている人も多いでしょうが、楽しくこの1年間送りましょう…以上」



とてもぶっきらぼうな口調で挨拶を済ませ、その足で体育館を出ていった。

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