短編集『秋が降る』
ガチャ

やはりカギがかかっている。
さっきのカギは当然のように没収されて手元にはない。

このままここにいては殺されてしまう。
あの人たちは私の頭をおかしくして、殺そうとしているんだ。

なんとか逃げて、俊秀さんのところへ行こう。


ああ、俊秀さん。

早く会いたい。

今頃気づくなんて遅すぎるよね。

あなたがいなきゃだめ。

もう、あなたしか頼る人はいない。

あなた以外頼りたくもない。


そのためには、早く、早くここを逃げ出さなきゃ。

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