短編集『秋が降る』
『お客様のおかけになった電話は電源が入っていないためかかりません』
女性のアナウンスがすぐに流れた。
「あれ? 今日バイトだっけ」
拓斗は私よりふたつ上の大学生。
私が志望している大学のオープンキャンパスという体験会に行ったときに知り合った。
校内を説明してくれたのが、拓斗だったのだ。
身長は標準よりやや高めくらいだったけど、顔がかなりのツボにはまったのだ。
もう1年前のこと。
どちらかというと、いや、確実に私のほうが積極的に拓斗に接近しようとした。
メールを交換しよう、と言ったのも私だったし、デートに誘ったのも私だった。
付き合うことになったのも、私が彼に「私たちっていったいどういう関係なの?」とつめ寄ったからだし。
女性のアナウンスがすぐに流れた。
「あれ? 今日バイトだっけ」
拓斗は私よりふたつ上の大学生。
私が志望している大学のオープンキャンパスという体験会に行ったときに知り合った。
校内を説明してくれたのが、拓斗だったのだ。
身長は標準よりやや高めくらいだったけど、顔がかなりのツボにはまったのだ。
もう1年前のこと。
どちらかというと、いや、確実に私のほうが積極的に拓斗に接近しようとした。
メールを交換しよう、と言ったのも私だったし、デートに誘ったのも私だった。
付き合うことになったのも、私が彼に「私たちっていったいどういう関係なの?」とつめ寄ったからだし。