三太くんは１日サンタ

おじいさんの言葉通り、トナカイさんはこの街の子どもが住んでいるお家はすべて頭に入っているようです。


「ほれ、この家だ」
「次はこっち」とテンポ良く三太くんを目的地へと運んで行きます。


『さすが、トナカイさんはプレゼント運びのプロだな～』


そんな風に考えている間にも、プレゼントくばりはスムーズに進んで行きました。


「あっ！」


しかし、何１０軒目かのお家に来た時です。


ソリの昇り降りを繰り返していた三太くんはさすがに疲れて来てしまっていて、プレゼントを持って玄関へと歩き出そうとした瞬間、足がもつれ、その場に倒れてしまいました。


プレゼントは三太くんの手をはなれ、「ガチャガタッ」と音を立てて地面を転がりました。


「お、おい。大丈夫か？」

「あー。プレゼントがー」


三太くんは慌てて起き上がり、数１０センチ先に落ちていた箱を持ち上げました。


「なんか音がしたよー。どうしよう？壊れちゃったかな～？」