三太くんは1日サンタ
「それより、早く次のお家に行かないと。イブが終わっちゃうもんね」


「…ああ、そうだな」


トナカイさんはうなずきながら言いました。


「でも、慌てなくて良いからな。時間調整は俺にまかせろ。お前はしっかりていねいに、プレゼントを運ぶ事だけを考えるんだ」


「うん!」


三太くんは元気よくお返事すると、改めてプレゼントを玄関先に置き、再びソリに乗り込みました。


心なしか、トナカイさんの声がやさしくなったような気がします。


そうして担当のお家を次々回り、どこからかニワトリが鳴く声が聞こえた頃、山のように積まれていた包みは残り1個になっていました。


「がんばったな、三太。これはお前へのプレゼントだ」


言いながら、トナカイさんがお鼻でその箱をツンツン、とつつきました。


「あ、そっか。自分のプレゼントがあるの、すっかり忘れてた」


三太くんはその箱を手に取ると、ウキウキしながら包みを開きました。


思った通り、それは三太くんがずっとずっと欲しかったラジコン飛行機でした。
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