三太くんは1日サンタ
「…ううん。何でもない」


三太くんはそう返事をすると、とぼとぼと自分のお部屋へと戻ったのです。


『あんなに頑張ったのに、ほんとにやった事じゃなかったなんて…』


そこでふと、枕元を見た三太くんは、リボン付きの箱が置いてある事に気が付きました。


そうです。クリスマスプレゼントです。


先ほどは慌てていたから目に入りませんでした。


悲しい気持ちがちょっとだけ消えて、三太くんはさっそくプレゼントに近付くと、中身を取り出しました。


「あ!」


思った通り、ラジコン飛行機の箱が出てきましたが、三太くんが声をあげたのはそれが理由じゃありません。


三太くんは気付いたのです。


「やっぱり、あれは夢じゃなかったんだ!」


三太くんはやっぱり1日サンタだったのです。


頑張って、この街の子ども達に幸せを届けたのです。


だって、ラジコンの箱の表面にはちゃ~んと、トナカイさんがお鼻でつついた時の、まあるい跡がしっかりと、残っていたのですから。
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