嘘つきなあなたからの恋文。
3年生になって始まったコタくんとのお隣生活はとても楽しかった。
きっとそれはコタくんという人がとても優しく、大人だったからだ。
例えば、
「コタくん、消しゴム貸して」
「いいよ、はい」
コタくんが渡してくれた消しゴムで文字を消した後、ケースを取ってマジックで【I love karinn!】と書いて返した。
数日後、落書きに気づいたコタくんは顔を真っ赤にして笑っていた。
「怒らないの?」
内心怒ってるかなとヒヤヒヤしながら聞いてみると
「別に怒ることでもないから怒らないよ。
小池さんって可愛いイタズラするよね」
彼は中学生で大人だった。
そう言われたら怒らしてみたいと数々のイタズラをしてみたが彼は1度も怒ることはしなかった。
反対にいつも笑ってイタズラを許してくれた。
そんな彼が友達として好きだった。
そう思っていた。
恋愛として好きだったのだと気付いたのは2学期が始まってすぐのことだった。