嘘つきなあなたからの恋文。


電話した次の日、私は初めてコタくんの家に伺った。


緊張でぎこちない笑みの私を玄関で笑顔で迎え入れてくれたのはコタくんのお母さんだった。


「あの…電話でも申したんですが改めまして、小池花梨と申します。

初めまして」


好きな人の母親ということもありドキドキしながら少し震えた声で自己紹介すると、コタくんのお母さんはニッコリと笑った。


「初めまして、健二の母です」


そんなお母さんの笑顔を見て2年前に毎日見ていた笑顔を思い出した。


あぁ…コタくんの目は



「お母さんの目なんですね…」


「え?」


「コタくんが笑った時の目はお母さんの目にそっくりです」


「…貴方に会えて嬉しいわ」


コタくんのお母さんは目尻に涙を浮かばせて今度は優しく微笑んでくれた。


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