嘘つきなあなたからの恋文。
「大切な思い出がある……中学校が見える所にお墓を建てて欲しい…。
これがコタくんの最後の我が儘だったらしいわ」
「…そこに毎年母さんは行ってるんだ」
「そうね…来年からはちゃんと命日の日に行こうと思ってるわ」
昨日綾部くんと約束を交わした。
次に会う時はコタくんの命日に…と。
「母さんは…ちゃんとコタくんとお別れできたの?」
「ちゃんとできたわ…」
だからこそ私は【今】をこうして生きている。
温かい眼差しをくれる旦那に笑みを向けた。
「コタくんの墓に手を添えてずっと…夕日が落ちるまでそこから見える景色を眺めてた」