嘘つきなあなたからの恋文。
「久しぶり、コタくん」
蒼にコタくんのことを話した1週間後、私はコタくんに会いに来た。
「今日は月命日だね」
お墓を撫でると汚れなんて1つもなく、綺麗な状態でコタくんのお墓は存在していた。
「きっと今日もコタくんのご両親会いに来てたんだね」
25年前から変わらない。
コタくんのご両親は週に1度はコタくんの元に会いに来ていると聞いた。
そして月命日は必ずだ。
お墓を拭いて綺麗にしてお花を挿して…コタくんが安らかに眠り続けれるように。
「コタくん…お手紙ありがとう。
25年の歳月が掛かっちゃったけどちゃんと…私の元に届いたよ」
コタくんが書いた手紙が入ってあるコートのポケットを優しく叩いた。
「その返事を今日持ってきたの。
読んでくれるかな…?」
コタくんの手紙を入れてある反対のポケットに入れてある白い封筒を取り出した。
「今日は夕方までいるつもりだからゆっくり読んでね」
墓にそっと手紙を置くと、
持ってきていた小さな三脚を取り出して腰を降ろすと中学校の景色を見ながらコタくんの手紙を開いた。