嘘つきなあなたからの恋文。


-小池さんへ-


突然の手紙に小池さんは驚いてるかな?


いきなりでごめんね。


この手紙を読んでいる貴方は今何歳ですか?


高校生?大学生?


もっと時が経って大人になってるかな?


大人になった小池さんは何だか想像できないな…。


今日はずっと小池さんに嘘をついてきた僕の本音を書きます。


どうか最後まで読んで下さい。


まず国人から聞いたと思うけど、僕は生まれつきの持病を抱えていました。

その病はとても強敵で生きられるとしたらあと1年…

そう医師に14歳の春に宣告されました。

この時、とうとう期限が決まったことにショックと怖さで身体が震えたよ。


タイムリミットは決まってるのに春休みは何もする気も起きなくて時間を無駄に過ごし、

そして新学期が始まり、僕は貴女と出会いました。


こんなこと言ったら小池さんは怒るかもしれないけど、

生徒数が多いこの学校、3回目のクラス替えでも知っている顔ぶれはそんなに多くなく、


座席表の【小田健二】の隣に書かれた【小池花梨】という名前を見てその時小池さんという人を初めて知りました。


< 134 / 149 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop