嘘つきなあなたからの恋文。
「ふーん、そこでコタくんへの恋心に気付いたんだ」
蒼はドヤ顔でコーヒー片手に見てくるけど
「違うわよ」
大外れの予想だ。
「え、めっちゃ今そんな感じで語ってただろ」
「その後よ、その後…コタくんと席がまた隣になった時に分かったのよ、自分の気持ちに」
息子にこんなこと暴露する日がくるなんて…恥ずかしすぎる…。
意味は無いが恥じらいで火照る顔を手で扇ぐ。
「隣になれたんだ」
「そうね…コタくんの隣になった今岡さんがね、黒板の字が見えないから代われないかって言ってくれたのよ」
「へぇー、そんな珍しい奴もいるんだな。
俺だったら目が悪くても後ろを死守するな」
「……そうね」
あの子もきっと…そうしたかったはずだ。