嘘つきなあなたからの恋文。
そして何度か私は他の人からこう言われました。
『コタくんは小池さんのことを本当に大切に想っていたよ』…と。
私はその度、涙を流して喜びました。
けれど真の心の中ではその言葉を信じることができませんでした。
だってその言葉はコタくん自身の言葉ではないから。
他の人から告げられても、私は貴方から直接伝えてもらえないと信じられなかった。
だから、25年越しに届いた手紙の真実は私の信じきれなかった胸を熱くしました。
私たち両思いだったんだね。
その事実を知った時、正直言葉が出てこなかったよ…それくらい衝撃的な事実だった。
だって大好きだった貴方から、それももう聞く術もない現在に好きと伝えられて困惑しない方が無理だよ。
ねぇ、コタくん。
私、コタくんにいっぱい話したいこと、伝えたいことあるんだ。
あの頃の思い出話しやあれからの思い出話し、たくさん貴方に話したいな。
また話せる日がいつになるかは分からない。
でも寿命ギリギリまで生きて私も永遠の眠りについたら貴方を探しに行ってもいいかな?
空の上に学校ってあるのかな?
教室もあったらいいな……あったら一番後ろの一番端に座ってて。
また私が話しかけるから。
あの14歳の春の私たちの出会いの様に…いや、今度は
『健二くん、お待たせ。私、花梨だよ』って言わないとね。
今度は空の上で出会ってまた隣に座っていっぱい話したいな。
だからそれまで私は絶対貴方のことを忘れないよ。
何があっても【小田健二】という大切な存在を忘れないから。
だから貴方も忘れないで。
私という存在を。あの頃の思い出を。
あともう少し時間が掛かっちゃうかもしれないけどそれくらい許してね。
私も貴方がついた大きな嘘を許してあげるから…ね。
25年越しに届いた貴方の恋文は私にとってとても意味のある手紙でした。
ありがとう。
小田花梨より
追伸,当たり前でしょ?男に二言はなしだよ。
最後の言葉も嘘なんてさせないからね。
だから信じてるよ、ずっと。
いつまでも。