嘘つきなあなたからの恋文。
-エピローグ-
お互いの卒業アルバムを交換して最後のページを開き、一通り目を通すとチラッと横に座っている彼女を見た。
泣いて目が赤くなってる…可愛いな。
視線をアルバムに戻す。
『高校行ってもよろしくね!』
『お手紙書くよ』
『花梨のおかげで中学生活楽しかったよ!』
『卒業寂しいよ』
そこにはみんなのメッセージで真っ白な2ページが文字で埋めつくされていて自然と広角が上がった。
小池さんはやっぱり人気者だね。
ペンを持つ。
小池さん、本当はね君と一緒の高校に行きたかった。
君とずっと一緒にいたかった。
君とずっと一緒に生きたかった。
君はどんな一生を過ごすのかな…?
僕を忘れないで。
…そう書けたら良いけど、そんな文章見たら何も知らない小池さんはきっと驚いちゃうな…。
そんな汚い本心を書くくらいなら…ペンを持つ力が強まる。