嘘つきなあなたからの恋文。
席替えをした直後に見た笑顔ですぐに分かった今岡さんの感情。
すごい嬉しそうにコタくんを何度も見ていた。
そんな子がなんで席を交代して欲しいと言ったのか分からないけど
悪いけど私は良い子じゃない。
席替えをしてずっと思っていた気持ちに素直に従うだけだ。
あの席に戻りたい。
その気持ちが叶うなら私はこの子の嘘を受け入れる。
「ありがとう、じゃあ替わって?」
「……うん。じゃあ荷物取ってくるね」
「うん、私も荷物出すね」
私は知らないふりをする。
席を交代した後、今岡さんがトイレに行って泣いていたことも
友達伝手で聞いた、その子が1年生の頃からコタくんが好きだったということも
全部私は知らないふりをする。
今岡さんには悪いけど私は
「コタくん」
「小池さん、また隣だね。よろしくね」
この人の隣にいたい。