嘘つきなあなたからの恋文。
-嫉妬-
それはコタくんとまた席が隣同士になってすぐのことだった。
「ねぇ、小池さん」
「なに?コタくん」
私たちの呼び名は何も変わらない“コタくん”、“小池さん”のまま。
「お願いがあるんだけど」
「お願い?」
いきなりのことだった。
「放課後空いてる?」
「放課後?空いてるよ」
コタくんは何だか眉毛が下がっていて困ってるように見える。
なんでそんなこと聞くんだろう…。
私の返事にコタくんの表情が少し和らぐ。
「小池さんの放課後、僕にくれないかな?」
「え?」
「買い物に付き合ってほしいんだ」
彼にはいつも驚かされてしまう。