嘘つきなあなたからの恋文。
強く睨んでみるが、コタくんは笑顔でスルー。
「お会計行ってくるよ」
「…うん」
ダメージなしですか…。
コタくんは笑顔で写真立てが入った箱を持ってレジに向かった。
その間私は店内を見て回る。
久しぶりに来たけどやっぱりここの雑貨屋は可愛い物ばかりだ。
お小遣い入ったら莉里ちゃん誘ってまた買いに来よ。
「ごめん、お待たせ」
「ちゃんと買えた?」
「うん、買えたよ」
買い物袋を笑顔で見せるコタくん。
何とか任務完了だ。
「さぁ、帰ろ……あ、ちょっと待ってもらっていいかな?」
「え?…うん」
コタくんは真っ直ぐと髪飾りのコーナーに行く。
「コタくん?」
私も一足遅くコタくんの背中を追い掛けて髪飾りのコーナーに向かった。
「どうしたの?従姉妹にもう一つ買うの?」
コタくんが手に取っていたのはワインレッド色のリボンの形をした髪留めだった。
「可愛いね、それ!」
しかし、コタくんが手に取っているヘアゴムは3つ下の従姉妹の女の子にしては大人っぽいデザインだ。