嘘つきなあなたからの恋文。
「従姉妹の子にあげるには、大人っぽいと思うよ?」
思ったことを口にして助言をすると、コタくんは笑いながら髪留めを優しく撫でた。
「これは従姉妹にじゃないよ」
「え?違うの?」
「うん、他の人へのプレゼント」
コタくんの思いもしなかった発言は私から笑顔を失わせた。
「えっと……お母さん?」
少し希望を持って、小さな声で聞くとコタくんは
「いや、違うよ」
笑顔で私の心に棘を刺す。
「そう……なんだ」
じゃあ、誰?
誰に贈るの?
誰にそれをプレゼントするの?
聞きたいのに、口が開かない。
そうか、私ショックを受けてるんだ。
「これ、可愛い?」
コタくんは笑って私に聞いてくる。
私からしたら何とも残酷なことをしてくるものだ。
「うん…さっき言った通り、可愛いよ」
ねぇ、そんなの買わないで…。
私が一緒にいる時に他の子のことなんて考えないで。