嘘つきなあなたからの恋文。
思っていた物とは違った物で体が固まる。
「返事が聞きたいな」
ゆっくり顔を上げてコタくんを見ると、あの靴箱で見た時とはまた違った眉毛が下がった表情、
不安げな彼が私を見つめていた。
「…もう怒ってないの?」
小さな声でコタくんに聞いた。
「怒りなんて遠のいて寂しさしかないよ。
小池さんとの会話がない学校生活はつまらないな」
久しぶりに見せてくれた笑顔に彼がくれた画用紙を抱きしめながら涙が零れた。
「私も…ごめんねっ」
「泣くなんて、小池さんらしくないよ」
彼は小さな声で仲直りだねと言って優しく頭を撫でてくれた。
そんな彼の優しさに涙が止まらなくなった。
「コタくん…今日からまたいっぱい話そうね」
「うん」
教室の片隅で私たちは久しぶりに笑い合った。