嘘つきなあなたからの恋文。
冬に近付いて寒くなり始めた11月。
「ねぇ、コタくん」
「何?小池さん」
「私この世にね、運命ってあると思うんだ」
「うん…?」
「だからね、私とコタくんはこの席になるのが運命だと思うんだけど、どう思う?」
私が今日一番のドヤ顔で言うと、コタくんは珍しく声を出して笑った。
3度目の席替え、私とコタくんはまた同じ席になった。
今回は私も誰かと交代することなく、クジでこの席になれた。
だから冗談じゃなく私はこの席が運命だと思えた。
「運命か…何だか小池さんらしい発想だね」
「そう?」
「うん。でも、僕は」
コタくん、
「運命なんて言葉好きじゃないな…」
なんでそんなに悲しそうに笑うの?