嘘つきなあなたからの恋文。
「まぁ、あの音痴の母さんの指揮じゃあ仕方ないよ」
「私なりに頑張ったのよ?」
「頑張っても結果がね…」
「見てもないのに失礼ね」
まるで見たかの様に哀れんだ顔をして私を見る息子に怒りが湧く。
「見てなくても想像で分かるよ、悲惨だったんでしょ?」
「すごかったわよ…悲惨すぎて。
歌と音声お母さんのせいで合わなくなっちゃって、みんなに悪くて悪くて演奏中もみんなの顔なんて見れなかったわよ」
「うわぁ…」
「終わった後、教室に戻ってもすごい居心地が悪くてね
あ、別に誰も責めることはしなかった、けど…私自身が本当に嫌だったのよ」