嘘つきなあなたからの恋文。
「お疲れー」
「いやー終わった、終わった」
「合唱も終わったし明日の模擬店頑張ろうな」
「委員長、準備ももう終わってるしHR済んだら帰って良いの?」
「そうだね、多分先生もそう言うんじゃないのかな?」
先ほどの合唱のことなんて何も無かったの様にみんな普通に振る舞っている。
けれど、指揮をした私からしたらその空気が辛くて仕方なかった。
責められても確かに辛い。
でも、これもこれで辛いものがあった。
あんなにみんな最後の文化祭ということで頑張ってたのに私のせいであんな酷い合唱になってしまったのだ。
一層責めて欲しかった。
机に顔を埋めて1人だけの世界を作る。
「小池さん」
そんな私にコタくんが隣から呼ぶ。
いつもなら笑顔で応えるけど、今はそんな気持ちでいられない。