嘘つきなあなたからの恋文。
「その後、先生が教室に来るまでずっとコタくんは私の指揮について弄ってくれた」
「それってどうなの…」
俺が音痴だったら嫌だと蒼は不満気に言う。
「馬鹿ね、分かってないなぁ…蒼は。
コタくんは励ましてくれてたのよ、落ち込んでる根元を」
失敗して落ち込んだ指揮の思い出を音痴で大失敗した笑える話に。
「こうやって思い出話にした時に笑って話せるように……って」
彼はいつだってそうだ。
いつだって私のことを考えて選択を選んでいた。
でも唯一彼が間違った選択をしたことがある。
「で?どこで振られたわけ?」
「その次の日よ」