嘘つきなあなたからの恋文。
文化祭の2日目、私たちは模擬店として喫茶店を出した。
「花梨」
「あ、莉里ちゃん。交代できた?」
「うん、花梨も早く交代して回ろうよ」
「うん」
午後の当番と交代して莉里ちゃんと他のクラスを回る、
そう決めていた私は今から午後の当番と交代して莉里ちゃんと回る【予定】だった。
「1番最初どこ行く?」
「どこ行こうか」
そう【予定】はただの【予定】にすぎないもので、
いきなり狂ったりするもので、
「莉里」
「あ、みなくん」
「すぐ会えて良かった。お、花梨もいるじゃん」
「湊先輩…お久しぶりです」
莉里ちゃんの従兄弟で、去年卒業した湊先輩がいきなり来るのも仕方ないことだ。