嘘つきなあなたからの恋文。
「なんでだよ、俺と同じ年に恋した母さんの話し少し興味あるんだけど」
「そんなこと言ったって……」
恥ずかしいものは恥ずかしい。
「ババアが顔を赤らめたって可愛くねぇからな」
「本当失礼ね!」
「どーも」
憎たらしい。
睨みながら蒼を見つめる。
蒼15歳。
本当にあの頃のあたしたちと同い年になったのか…。
「で、聞かせてくれるんだろ?」
「仕方ないわね」
蒼も反抗期。
こうやって絡んでくれるんだもの、話そうかな。
作ったコーヒーを2つテーブルに置くと先ほど座っていた場所に座り、コーヒーを口につけた。
そういえば、私が15歳の時はコーヒーなんて飲めなかったな。
『コーヒーなんて飲めなくていいよ、まだ僕たちは子供なんだから』
そう言って彼はコーヒーを飲んでたな…それもブラック。
「じゃあ、話そうか」
「待ってました」
平日の温かいお昼頃、私はあの頃の自分を息子に話し始めた。