嘘つきなあなたからの恋文。
「コタくんに気持ちは確かに伝えた。
けれど、結果が辛くて自分の気持ちに誤魔化したの」
「……」
「誤魔化したおかげか、それからコタくんとは気まずい関係にはならなかったわ」
「……」
「何か言ってよ」
蒼のことだから爆笑するかと思ったのに、蒼は真剣な表情をして私を見ていた。
「後悔した?」
やっと発した言葉は私を何度も苦しめる問いだった。
「……後悔ね。
何年もずっとずっと後悔した。
気持ちを伝えたことも、気持ちを誤魔化したことも」
そして、彼から逃げたことも。
「……後悔しても遅いのにね」
でも彼と離れて、私は後悔ばかりしていた。
「それから?それから何もなかったの?」
「あったと言われたらあった、なかったと言われたらなかった」
「……何だよそれ」
「文化祭も終わって、私たちに残る行事は最後の大勝負、受験と卒業だけだからね」
「そういえば、コタくんと高校一緒だったの?」
「………違うわ。
私は地元の自分のランクに合った高校を志望したわ」