嘘つきなあなたからの恋文。
「もう苦しい…」
「仕方ないよ、受験生だからね」
受験生…この言葉が何より辛い。
「早く春にならないかな…?」
雪が降る外を見つめる。
きっと外はもっと寒いのだろう。
あと1ヶ月もすれば春だというのになんで雪?
本当に暖かくなるの?
たった1ヶ月で?
本当?
「そんなに外見ても何も変わらないよ、ほら勉強しよう?」
「…うん」
手に息を吐いて冷たい悴んだ手を解す。
よし、未来の為に頑張ろう。
そう意気込みながら隣に視線を向ける。
確かに未来の為に今頑張らないといけないのは分かっている。
けど、その頑張る為にまず頑張らないといけないことがあった。
「ねぇ、コタくん」
「勉強するんじゃなかったの?どうしたの?」
「勉強する前に聞きたいことがあるんだけど」
「何?分からない所あったの?」
「違うよ」
分からない問題なんてテキストの答えの解説を見ればすぐ分かる。
でも、私が聞きたい答えはテキストになんて載っていない。